コマンドを入力し、Enterで実行して表示を確認します。
コマンドと引数の間は半角スペースで区切り、全角スペースは使いません。
基本ルール
コマンドの基本形
コマンドは、次のように「コマンド」「引数」「オプション」を組み合わせます。
コマンド 引数 オプション
たとえば、ls -l data/では、lsが一覧表示、-lが詳細表示、data/が対象フォルダです。
Step 1:現在地と一覧を確認する
pwdで現在地を表示する
pwdは、現在いるフォルダの場所を表示します。
pwd/home/r8userこの研修では、ホームディレクトリを/home/r8userとして示します。
lsでファイルとフォルダを確認する
lsは、現在いるフォルダの中身を一覧表示します。
ls表示されたファイルやフォルダを確認してください。出力内容は環境ごとに異なります。
Step 2:フォルダを移動する
ホームディレクトリへ移動する
~はホームディレクトリの省略形です。cd ~でホームへ移動し、続けてpwdで確認します。
cd ~
pwd/home/r8user引数を省略したcdも、ホームディレクトリへ移動する操作です。
作業用フォルダを作成する
mkdir workspaceでworkspaceフォルダを作成します。
mkdir workspaceTab補完を使う
Tabキーを押すと、入力途中のファイル名やフォルダ名を自動で補完できます。候補が1つなら自動で補完され、複数ある場合はTabを2回押すと候補が表示されます。入力ミスを減らすため、以降の練習ではできるだけTab補完を使います。
フォルダ名を補完する
まずcd wまで入力し、Tabを押してください。workspaceへ補完されたら、Enterで実行します。
cd w入力途中のwをworkspaceへ補完し、移動できればこの練習は完了です。
Step 3:フォルダを作成して移動する
mkdirで練習用フォルダを作る
mkdirはフォルダを作成します。次のブロックを実行し、testが一覧に表示されることを確認します。
mkdir test
ls作成したフォルダへ移動する
cd test
pwd/home/r8user/workspace/testcd ..で親フォルダへ戻る
..は1つ上の親フォルダ、.は現在のフォルダを表します。
cd ..
pwd/home/r8user/workspace練習用フォルダを削除する
rm -rはフォルダと中身を削除します。削除したデータは元に戻せないため、ここでは自分で作ったtestフォルダだけを指定します。
rm -r test
lsrm -rを実行する前に、パスが練習用フォルダを指していることを確認してください。教材の確認で作ったtest以外は削除しません。
応用:フォルダの階層を作る
次の構造を作って、フォルダを順番に移動します。
project/
├── data/
└── results/
projectを作るprojectへ移動するdataとresultsを作る- それぞれへ移動して
pwdで確認する
次の例では[TAB]がTabキーを押す場所です。コード全体を実行せず、1行ずつ入力して補完を確認します。
mkdir project
cd pro[TAB]
ls
mkdir data results
ls
cd da[TAB]
pwd
cd ..
cd re[TAB]
pwd/home/r8user/workspace/project
/home/r8user/workspace/project/resultsパスの指定方法
| 指定 | 意味 |
|---|---|
./ |
現在いるフォルダ |
../ |
1つ上のフォルダ |
~ |
ホームディレクトリ |
次の例はそれぞれ独立した入力例です。現在地を確認しながら、1行ずつ試します。
cd ./data # 今いるフォルダの中のdataへ
cd ../data # 一つ上のフォルダの中のdataへ
cd ~/workspace # ホームのworkspaceへエラーへの対処法
エラーが出たらメッセージを読み、ファイル名・現在地・コマンドのスペルを確認します。
No such file or directoryこの場合は、名前の入力ミスや現在地の間違いが考えられます。pwdで現在地を確認し、Tab補完で名前を入力してください。
command not foundこの場合は、コマンドのスペルや環境の有効化状態を確認します。
実践:QIIME 2解析で使う操作
1. テキストファイルを作成して確認する
まず、練習用フォルダを作成します。作業フォルダがすでにある場合は、同じコマンドを何度も実行せず、表示されたエラーを確認してください。
cd ~/workspace
mkdir practice
cd practiceechoの出力を>でファイルへ書き込みます。
echo "Hello, Qiime2!" > sample.txtcat sample.txtHello, Qiime2!2. lessで大きなファイルを読む
seqで1から1000までの数字を作り、lessで閲覧します。
seq 1 1000 > numbers.txtless numbers.txtlessの画面では、↓またはSpaceで下へ進み、↑またはbで上へ戻ります。/500のように入力すると検索でき、qで終了します。
3. 変数を使う
QIIME 2では、プライマー配列などを変数に保存してコマンドで使うことがあります。変数名と=の間にはスペースを入れません。
MY_PRIMER='ATCGATCG'
echo $MY_PRIMERATCGATCGForwardとReverseのプライマーをそれぞれ変数に設定します。
FWD='CCTACGGGNGGCWGCAG'
REV='GACTACHVGGGTATCTAATCC'
echo $FWD
echo $REV変数をファイルへ保存すると、後でcatやgrepで確認できます。
printf 'forward\t%s\nreverse\t%s\n' "$FWD" "$REV" > primer.txt
cat primer.txtここで作るprimer.txtには、forwardとreverseの名前と配列が入ります。後の検索練習でも、この実在するファイルを使います。
4. ファイルをコピー・移動する
cp sample.txt sample_backup.txt
lssample_backup.txtが作成されたことを確認します。
mv sample_backup.txt renamed.txt
lssample_backup.txtがなくなり、renamed.txtができたことを確認します。
5. wgetでファイルをダウンロードする
wgetはURLからファイルをダウンロードするコマンドです。ここでは教材のLinuxコマンド原稿をdownloaded-linux-commands.mdという名前で保存し、保存先を確認します。
wget -O downloaded-linux-commands.md https://raw.githubusercontent.com/Yokohide0317/2025_BI-Zissen/refs/heads/main/01_Linux%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89.md
ls -lh downloaded-linux-commands.mdダウンロードしたファイルとは別に、先ほど作成したprimer.txtを表示します。ファイル名を取り違えないように注意してください。
cat primer.txt6. grepでファイル内を検索する
grepは、ファイルに含まれる文字列を検索します。まずForwardプライマーの一部を検索します。
grep "CCTACGGG" primer.txt次に-wを付け、単語としてforwardを検索します。
grep -w "forward" primer.txt実践課題:QIIME 2解析の準備
次の課題では、解析で使うフォルダとメタデータの形を練習します。
qiime_analysis/フォルダを作るdata/とresults/を作るdata/でForward・Reverseプライマーを設定するmetadata.txtを作る- 作成したファイルを
results/へコピーする qiime_analysis/へ戻って構造を確認する
cd ~/workspace
mkdir qiime_analysis
cd qiime_analysis
mkdir data results
cd data
FWD='CCTACGGGNGGCWGCAG'
REV='GACTACHVGGGTATCTAATCC'
echo $FWD > primer.txt
echo $REV >> primer.txt
echo "sample-id,treatment" > metadata.txt
echo "sample1,control" >> metadata.txt
echo "sample2,treatment" >> metadata.txt
cp primer.txt ../results/
cp metadata.txt ../results/
cd ..
ls -Rls -Rの出力にdata/primer.txt、data/metadata.txt、results/primer.txt、results/metadata.txtがあれば完了です。
コマンドのまとめ
| コマンド | QIIME 2解析での用途 |
|---|---|
cat |
ファイルの内容を確認する |
less |
大きなログやデータを閲覧する |
echo |
変数の確認や簡単なファイル作成に使う |
変数='値' |
プライマー配列などを保存する |
cp |
ファイルをコピーする |
mv |
ファイルを移動・名前変更する |
wget |
分類器などのファイルをダウンロードする |
grep |
ログやデータの中から文字列を探す |
トラブルシューティング実習
ファイルの権限を確認する
catでファイルを読めないときは、ファイルが存在するかと読み取り権限を確認します。実習環境でtestfile.txtが用意されている場合に実行してください。
cd ~/workspace/practice
cat testfile.txtls -l testfile.txtスペースを含むファイル名を扱う
ファイル名にスペースが含まれる場合は、ファイル名全体を引用符で囲みます。
cd ~/workspace/practice
touch "my data.txt"
ls# 正しい方法
cat "my data.txt"
# 間違った方法
cat my data.txt # これはエラーになるcat my data.txtのように引用符を付けない場合、myとdata.txtを別々の引数として解釈するためエラーになります。
隠しファイルを表示する
.で始まるファイルは通常のlsでは表示されません。ls -aで表示できます。
環境によって.bashrcがない場合があるため、次のコマンドは存在しない場合にメッセージを表示します。
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